Arch LinuxをVMware Fusionにインストールする方法[ベースシステムインストール編]

前回までに、VMware Fusionへの設定、MacターミナルからのSSH接続設定を解説した。

Arch Linuxはミニマルで軽量なLinux ディストリビューション。

確かにLinux 初心者にとって、インストール作業はすべてコマンドライン上で行う必要があるため、他のディストリビューションと比べて難易度が高い。

だが、こういう作業を通してパソコンを知ること、そして自分でパソコンを作る楽しみを味わってほしいと思っている。

前回までの解説はここから。

Arch LinuxをVMware Fusionにインストールする方法[SSH接続編]

今回はいよいよ、仮想マシンにベースシステムをインストールしていこう。

インストール作業は、主にコマンド入力で行う。

Arch Linuxは公式のホームページにインストールガイドが用意されているので、コマンドの詳細などそちらも参考にしてほしい。

https://wiki.archlinux.jp/index.php/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89

Arch Linux

前回まででMacからのSSH接続設定を完了させていれば、Macターミナルに直接コピペができるので間違いも少なくなるだろう。

それでは Let’s Get Started!

Arch Licux システムインストールの準備

日本語キーボードレイアウト設定

おそらくほとんどの方が日本語キーボードを使用していると思う。

Arch Linuxを始め、ほとんどのLinuxはUS配列のキーボードを使用しているため、まず日本語配列用のキーボードレイアウトに設定する必要がある。

# loadkeys jp106

ネットワーク接続の確立

大抵の場合、Arch Linux起動デイスクでは、ネットワーク接続は確立されているが、念のためにコマンドで確認しておく。

# ping -c 3 www.google.com

パーティション設定

UEFIブートではGPTでのパーティショニングを推奨。

GPTでパーティショニングをしていこう。

# gdisk /dev/sda

上記コマンドでgdiskが起動する。

#Command (? for help):o

まずは、 「 o 」でGPTのパーティションテーブルを作成する。

この作業で既存パーティションは全て削除される。

パーティション作成

パーティショニングとは、HDD などのディスクを分割し、複数の領域に分けることをいう。

例えば、OS システム用、データ保存用など、あなたの使用環境に合わせてパーティションを設定することができるのだ。

今回のパーティショニングは以下の通り設定している。

  • ESP(EFI System Partition):512MB
  • swap パーティション:1GB
  • データパーティション:6.5GB

ESPとはUEFIブートの際に推奨されているFAT32でフォーマットされていたパーティション。

swapとはパソコン使用時に複数のタスクを立ち上げメモリが不足した場合に、ディスクの一部の領域をメモリの代わりとして使う機能をいう。

残りの領域は全てデータ領域(root、homeディレクトリなど)として作成する。

ESP(EFI System Partition)

Command (? for help):n
Permission number: 1
First sector : 何も押さずエンター
Last sector : +512M
Hex code or GUID : EF00

swapパーティション

Command (? for help):n
Permission number: 2
First sector : 何も押さずエンター
Last sector : +1G
Hex code or GUID : 8200

データパーティション

Command (? for help):n
Permission number: 3
First sector : 何も押さずエンター
Last sector : 何も押さずエンター
Hex code or GUID : 8300

パーティションを切ったら、最後は「 w 」を押して終了する。

これで、とりあえずパーティションが設定される。

ただ、このままでは使用できないため、各パーティションをフォーマットして、使えるようにする必要がある。

Linux で使えるファイルシステムはいくつかあるものの、現状で安定しているのは ext4 と呼ばれる形式。

メインパーティションのフォーマット

インストールする前にディスクをフォーマットし、中身をクリア(フォーマット)にしておく。

ESPのフォーマット

UEFI ブートパーティションは、FAT32でフォーマットする必要があるため、mkfs.vfat コマンドを使用する。

# mkfs.vfat -F32 /dev/sda1

Linuxファイルシステム(ext4)のフォーマット

フォーマットを行うためのコマンドは、『mkfs.』 を使用する。

使い方としては「mkfs.ext4 /dev/sda3」 という風に、フォーマットするパーティションのデバイス名を指定する。

# mkfs.ext4 /dev/sda3

スワップの作成と読み込み

Linuxでスワップ領域を作成するためには、『mkswap』を使用する。

また作成したスワップ領域を実際に使用するため、『swapon』で設定する。

# mkswap /dev/sda2
# swapon /dev/sda2

マウント

Linux ではマウントという作業をしてパーティションやデータファイルにアクセスできるようにする。

ルートディレクトリのマウント

まずルートディレクトリをマウントする。

# mount /dev/sda3 /mnt

ESPのマウント

ESPを「 /mnt/boot 」にマウント。

# mkdir /mnt/boot
# mount /dev/sda1 /mnt/boot

各パーティションについて、フォーマット、マウントが完了すればいよいよシステムのインストールへ移っていく。

ここまでの確認のために、『 lsblk 』コマンドでディスクの確認しておこう。

lsblk

上記の通り進めて、うまくいけばこのような感じになっているだろう。

システムのインストール

ミラーリストの編集

ここからベースシステムのインストールを行って行くが、これらのパッケージをダウンロードするためにはサーバーに接続する。

Arch Linux に限らず、様々なLinux ディストリビューションには各国にいくつかミラーが存在する。

デフォルトのままでは回線が遅く、ダウンロード2時間がかかることが多いので、日本のサーバーを選択しよう。

ミラーリストは、「 /etc/pacman.d/mirrorlist 」に保存されているため、このファイルを編集し、使いたいミラーの URL を先頭に持ってくる。

コマンドライン上でテキストファイルを編集するには、「 nano 」コマンドを使用する。

nano /etc/pacman.d/mirrorlist

このようにJapanのミラーを一番上に持って来ればいい。

「 nano 」の操作としては、

control + K :カット

control + U :貼り付け

control + O :保存

control + X :終了する

ベースシステムインストール

ではシステムのインストールの準備が整ったので、先ほどマウントした /mnt にシステムをインストールする。

ArchLinuxでは「 pacstrap 」というスクリプトを使ってインストールしていく。

pacstrap -i /mnt base base-devel

このような感じでインストールされていく。

fstabの作成

fstabとは、パーティションやファイルシステムの情報やなどがどこにmountされているかなどを保存するためのもの。

「 genfstab 」で現在マウントされているパーティションを検索して、適切な値を書き込むことができる。

genfstab -U -p /mnt >> /mnt/etc/fstab

システム設定

ここからは、インストールした Arch Linux のシステム内に入り、各種設定を行う。

chroot環境に入る

今回作成した Linux のディレクトリは /mnt から始まる。

その /mnt をルートディレクトリとして扱うのが「 chroot 」コマンドだ。

先ほどインストールしたArch Linuxのシステムは /mnt に入っているので、ルートを /mnt にする。

arch-chroot /mnt

言語、キーマップの設定

Linux 上で使う言語を設定する。

日本の場合は ja_JP (日本語) 。

ただし、デフォルトとして en_US (英語) は必須なので、それも指定しておく。

キーマップの設定方法は、「 /etc/locale.gen 」ファイルから、使う言語の先頭の # を削除(コメントアウト)し、使用する言語を選択すればいい。

nano /etc/locale.gen
  • en_US.UTF-8 UTF-8
  • ja_JP.UTF-8 UTF-8

この2つをコメントアウトして保存する。

locale-gen

「 locale.gen 」とは、そのPCで使う言語情報を決めることができる。

次に「 locale.conf 」ファイルを作成する。

この段階で日本語設定をしてしまうと、文字化けしてしまうことがあるので、ここでは日本語設定はせずに、GUI環境導入後に設定したほうがいい。

echo LANG=en_US.UTF-8 > /etc/locale.conf

上記コマンドでファイルの作成と書き込みを同時に行うことができる。

キーマップの設定

インストールした Arch Linux 上のコンソールのキーボード配列はデフォルトで英語配列になっているため、以下の設定ファイルでキーボード配列を指定する。

もし見本語キーボードを使用している場合は、「 /etc/vconsole.conf 」ファイルに、「KEYMAP=jp106」 の内容を書き込もう。

echo KEYMAP=jp106 > /etc/vconsole.conf

エリア設定

次にエリア設定を行う。

日本在住の場合は以下のコマンドの通りでOK。

海外に住んでいる場合は「 /usr/share/zoneinfo/ 」ディレクトリ内の地域とエリアを選択すればいい。

ln -s /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime

時刻設定

ハードウェアクロックをUTCに設定する。

hwclock -u -w

Hostnameを決める

HostnameとはあなたがインストールしたLinuxの名前。

あなたのコンピュータに好きな名前を「 /etc/hostname 」に書き込めばOK。

ここではHostnameを仮に『 arch 』としている。

echo arch > /etc/hostname

ネットワーク設定

再起動後にネットワーク接続が有効になるように dhcpcd service を有効にする。

systemctl enable dhcpcd.service

PCのパスワードを設定する

ここでパスワードの設定を忘れると、再起動後にログインできなくなる。

必ず設定しておこう。

passwd

ブートローダーの設定

Arch Linux を起動するために Linux に対応しているブートローダーを選択してインストールする必要がある。

今回は『 GRUB 』をインストールする。

pacman -S grub dosfstools efibootmgr
grub-install --target=x86_64-efi --efi-directory=/boot --bootloader-id=arch_grub --recheck --debug
grub-mkconfig -o /boot/grub/grub.cfg

UEFIファームウェアによっては、うまく起動できないものがある。

念の為に以下のコマンドを実行しておく。

mkdir /boot/EFI/boot
cp /boot/EFI/arch_grub/grubx64.efi /boot/EFI/boot/bootx64.efi

Arch Linuxの再起動と起動確認

インストール作業は以上。

最後に再起動してArch Linuxがうまく起動できるか試してみよう。

chrootから抜ける

現在は chroot 内で作業していたため、「 exit 」で抜ける。

exit

再起動

インストールメディアをアンマウントし、以下のコマンドで再起動。

reboot

この様にGRUB画面が出てArchが起動できればUEFIブート成功。

無事Arch Linuxのベースシステムのインストールが完了する。


お疲れさまでした。

ここまでで、Arch Linuxのベースシステムのインストールは完了だ。

ここから先はあなたの使用環境に応じて、GUI環境などを整えていけばOK!

別の機会に、GUI環境構築の記事で解説していくつもりだ。

とりあえずは、Arch Linuxのインストールを通してコマンドラインに慣れること、そしてLinux コマンドに慣れていければ嬉しい。

パソコンがどうやって構築されていくのか、Arch Linuxの構築を通してその面白さを是非体験してほしい。

なお、今回のインストールに関しては、Arch Linuxのインストールガイドにも詳しく解説されているので読み物としても、Linuxを知るいい機会だと思うので、ぜひ一読することをオススメしたい。

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