Arch Linux を VMware Fusion にインストールする方法[SSH 接続編]
![Arch Linux を VMware Fusion にインストールする方法[SSH 接続編]](https://dyny001.net/post/images/thumbnail.015.jpg)

Linux って何?
Linux を使うメリットってあるの?
仮想マシンに Linux をインストールしたいんだけどどうしたらいいの?
今回は、こんな疑問にお答えします。
Linuxって興味はあるけどなかなかとっつきにくいですよね?そんなあなたでも一つ一つステップを踏めば、確実にLinuxを組み込むことができるようになります。
私が Linux に興味を持ったのはかれこれ数年前。
いろいろなディストリビューションがあってそれを CD-ROM に焼き、以前使っていた古い Windows 機にインストールして遊んだものです。
今回は Linux って何?っていう初心者さんにもわかるように Linux についてお伝えして、代表的な Linux である Arch Linux を仮想デスクトップへインストールする方法なんかを紹介します。

Linux を扱えるようになると、古いパソコンの再利用はもちろんのこと、簡単なデータの復旧やサーバーの立ち上げなど、多岐にわたって活躍することができるようになります。
今回のArch Linux のインストールは内容は理解できなくてもコピペでも構築できますので、一度チャレンジしてみてください。
Linuxとは?
そもそも Linux とは OS の一つですが、サーバーに使われていたり Android の元になっていたりと、実は私たちの生活でも頻繁に使われているのをご存知でしょうか?
(みんな大好き Play Station なんかも Linux が使われていたりする。)
Linux についてはこちらでも簡単に解説しています。
この時点で、「Linux ?」、「ディストリビューション?」と?マークが浮かぶ人も、今回のシリーズをきっかけに Linux に触れてほしいと思います。
Linuxを使うメリットとは?
まあ、初心者(私も含め)には単語も難しいので、少しずつ Linux に慣れていきましょう。
Linux の特徴として、
- 無料で使える
- 古いパソコン(低スペック)がサクサク動く
- コンピュータ(ハード)そのものに詳しくなる
- パソコンに強くなる
- 「俺、CUI触れるぜ」という、ちょっとした優越感を得られる
という感じ。
Linuxを使う上で他にもいろいろなメリットもありますが、自分で自分のパソコンを形成するというものも楽しみの一つでしょう。
特に、今回ご紹介する Arch Linux は『軽量・シンプルで最小構成からシステムを構築できる先進的な Linux ディストリビューション』とうたっている通り、最小構成から一つ一つ構築していくというものです。
Windows パソコンのように、初めから無駄に多くアプリも入っていない、むしろ GUI ではなく CUI(いわゆるコマンドで進めて行くやつ)という環境。
プログラマーやエンジニアと違って、大した知識もない私たちではとても一つ筋縄ではいかないと思うが、これを繰り返して行くことでパソコンスキルや Linux への知識も増えていくことでしょう。
こうやって Linux の知識がついていくと起動しなくなったパソコンからデータを回収したり、自作 PC などにおいても自分の環境に合わせ最小で構築することができる点は、トラブルを減らす上でも重要なことだと思っています。
ぜひチャレンジしてみてください。
Arch Linux をインストール! の、その前に。
ということで早速進めていきたいところですが、いきなり実機にインストールするのはさすがに勇気がいるので、Mac のソフト 『VMware Fusion』という仮想環境を用いて Arch Linux をインストールしていきます。
無料でも仮想マシンをインストールできるツールのありますので、あなたの環境に合わせて準備をしてみてください。
ちなみに、今回の Arch Linux インストール時の環境は、
- MacBook Pro mid 2009
- VMware Fusion 8 ver 8.5.4
- Arch Linux 2019.02.01-x86_64
という感じです。
準備ができたらさっそくやっていきましょう。
Arch Linux のインストールディスクをダウンロード
Arch Linux のダウンロードページからインストールメディアをダウンロードする。

公式サイトの中から、「ダウンロード」→「日本のサーバー」の中から選択します。

名前ではわかりにくいですが、Sizeが600Mある ISOファイルを選択してダウンロードしましょう。
torrent ファイルを使用したい方は、.torrent をダウンロードしても OK!
VMware Fusionの初期設定
次に VMware Fusion の設定を行っていきます。
普通は VMware Fusion など仮想マシンに直接コマンドを打ち込んでいくのですが、今回は SSH 経由で Mac のターミナルを使ってインストールできるように設定をしていきます。
こうすることで、仮想マシンのみではできないコマンドのコピペも可能であるし、コマンドの打ち間違いによるエラーも少なくすることができます。
ただし、SSH は一般的によく利用される認証方法ですが、少なくてもセキュリティリスクがゼロではないのでローカルネットでの利用に留めてほしいと思います。
Arch Linux のイメージファイルをマウントする
VMware Fusion 側の設定からやっていきます。

VMware Fusionを開き「ファイル」→「新規」をクリックします。

左側の「ディスクまたはイメージからインストール」を選択し、「続ける」をクリック。

「別のディスクまたはディスクイメージを使用する」をクリック。

先ほどダウンロードした Arch Linux の.ISOファイルを選択して開くをクリック。

「続ける」をクリック。

オペレーティング システムの選択では、「Linux」→「Other Linux 3.x カーネル (64ビット)」を選択して、「続ける」をクリック。

簡単に環境設定ができたが、仮想マシンのCPUやメモリ、ストレージなどの使用量を細かく設定します。
「設定をカスタマイズ」をクリックします。

仮想マシンの名前をつけます。
ここではとりあえず『Arch Linux』でOK!
もしもあなたが複数の環境を作りたい場合は、日付やバージョンなどを記入しておくとわかりやすいと思います。

「プロセッサとメモリ」、「ハードディスク」などの使用容量は、あなたの環境に合わせて設定してください。
ちなみに今回の私の環境では、
- CPU:1個のプロセッサ コア
- 2048MBハードディスク:仮想ディスク.vmdk. 8GB
となっています。
SSH接続の設定

次に、SSH 接続関連の設定をしていきます。
「設定」→「詳細」を開く。

「VNC によるリモートディスプレイ」にチェックを入れます。

次に、「設定」→「ネットワークアダプタ」を開く。

ネットワークアダプタを接続の中の、「ブリッジされたネットワーキング」→「自動検出」にチェック。
UEFIでの起動設定
次に、仮想マシンを UEFI で起動するように設定します。
仮想マシンが保存されているフォルダから、.vmx の仮想マシンファイルを探しましょう。
初期設定では、「書類」→「仮想マシン」→「hoge(先ほどつけた仮想マシンの名前)」→右クリックして「パッケージの内容を表示」させる→「hoge.vmx」を編集します。

firmware = "efi"
仮想マシンの設定ファイルhoge.vmx
をテキストエディタで開いて、上記のコマンドを最終行に付け足し保存しましょう。
仮想マシンでのSSH接続設定
ここまで設定したら、仮想マシン側の設定です。
仮想マシンの起動
ここまで設定したら、仮想マシンを起動します。

真ん中の三角ボタンを押せば起動するはず。

先ほど、UEFI で起動するように設定したため、UEFI モードで Arch Linux のブートローダーが起動するはずです。
何もしなければこの後30秒〜1分程度真っ黒な画面が続き、その後 Arch Linux が起動します。
おそらく初めて起動する方は真っ暗な画面で不安になると思うが、心配ないのでそのまま放置してみてください。
Arch Linux が起動したら、まず初めに SSH 接続のための root のパスワードを設定し、sshd を起動して、ipアドレスを確認します。
root パスワード設定
まずはroot パスワードの設定から。
Mac から ssh 接続する際にパスワードの入力が必要になります。
passwd
sshd起動
ssh サービスを起動します。
systemctl start sshd
IPアドレスの確認
Mac側から仮想マシンに接続するために、仮想マシンのIPアドレスを確認する。
ip a
ここまでできれば、あとは Mac のターミナルから接続し進めて行けるはずです。
コマンドもコピペでいけるようになるので、作業効率も上がります。
Mac から仮想マシンへ接続する
Mac のターミナルを起動する。
「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」を開きます。
ターミナルを起動できたら、先ほど確認した IPアドレスへ ssh 接続していきます。
ssh root@121.121.121.121
@以降は、確認したIPアドレスを入力。
『Are you sure you want to continue connecting (yes/no)? 』
と聞かれるので、
yes
と入力。
仮想マシンで決めたパスワードを入力すると、SSH 接続完了となります。
ということで、今回は Arch Linux を仮想マシンにインストールするまでの前準備ということで、VMware Fusion の設定、SSH 接続の設定等を解説してきました。
なかなか一筋縄では行かない Linux ですが、何度も失敗を重ねながら経験を積んで、そうやってパソコンに触れスキルを上げていくものです。
成長して行くにつれ、あなたもだんだんパソコンも好きになっていければ、私としても嬉しく思います。
次回からは、いよいよシステムのインストール編に入っていきますのでお楽しみに。